みなさんこんにちは。
たまには仕事の話も(^ ^)
弊社で印刷物を製作する際、注意しているのは色の品質です。
特に特色インクやカラー印刷(4色)の際には欠かせない色校正。
色校正とは、「納品した印刷物を見たら想像していた色と違っていた」「写真が暗すぎる」「校正時には気にならなかったがちょっと写真が粗い」など、納品後にガッカリしないように、事前に実際に使う用紙を使用して、本番さながらの品質を確認する工程になります。
時には刷り直し!?なんてことにならないように、未然に防ぐために行うのが「色校正」になります。
色校正の種類
ちょっと補足しておくと、色校正には3つの方法があります。
1)簡易色校正
簡易的な色校正専用の出力紙、インクを校正専用の印刷機械を使用。
低コストですが、色の再現性はあまり高くないので、文字通り簡易的な校正になります。
2)本紙色校正
実際に納品する用紙を使用して本紙校正専用の印刷機械を使用。
コストが上がりますが、上記の簡易校正よりは、より実際の仕上がりに近い状態で色の確認ができます。
3)本機色校正
実際に納品するする印刷機及び、用紙・インクを使用。
3つの色校正の中では一番コストや時間がかかりますが、納品時とほぼ同じような再現性で確認が可能です。
一般的な校正
さて、本題の色校正ですが、なぜ必要かというと、最近多くなっているPDFでの校正やプリンターで出力したものは
あくまでのざっくりとしたイメージの確認や文字などの確認のために行うもので、色に関しては特にこだわりがなく、
色に関してはイメージさえわかればいいというご担当者様向けになります。
一言でこだわりと言っても難しいのですが、弊社の判断材料としては、入稿していただく素材(写真)に関して、
こだわりを持って撮影されたものか?
または写真データの解像度などに注目されているか?など、
ヒアリング時に確認させていただいております。
もちろん広くいえば、みなさんがこだわりを持っていて良いもの(見栄えのいいもの)を作りたいということには間違いはないでしょう。
でも、そこには「時間」「コスト」が常に関わってきますので、どこまで担当者様が希望されているのかの判断は、さほど難しくない判断になります。
オススメは本機色校正
本来であれば、より再現度の高い本機色校正をオススメしたいところですが、お客様のご希望(品質、予算、手間、納期)に合わせてどの色校正が適しているか?
もしくは、本当に色校正が必要なのか?
きちんと説明させていただき、納得された上で製作を勧めていきますので
まずはお気軽にご相談ください。
あと(後)加工。
特に表紙は色にシビアな部分でもあります。
本機色校正をしてまで進めてきた印刷物において、全面にベタ塗りされているものは、使用されている色によっては、手垢が目立ってしまう場合があるので、あと加工、PP張りやニス加工をお勧めしています。
本来、印刷物は一度見ただけで捨てられるものではないはず。
そうなると何度も手にとって見てもらうものかと思いますので、何度も見ていくうちに手垢が目立つ。
もしくは、表紙がすぐにボロボロになってしまっては悲しいですから、場合によっては後加工もご検討してください。
余談ですが…
色校正の話をすると思い出すのが、ある映画会社さんのポスター印刷を担当していた際、
ここ最近、やたらテレビの露出が多い某アイドル主演のポスターの色校正の際、おでこのホクロを消してほしいという依頼があったのを思い出します。
あの時は必死にルーペで確認してましたが、今ではそろそろ老眼鏡が必需品になりそうですが(^_^;)
心の中では、「誰がこんなところまで見るんだよ〜もう一回色校正かあ〜間に合わないよ・・」なんて若気の至りで思っていたりしていましたが、
今思えば、それほど必死にタレントをよく見せるために考えて、本気で仕事に取り組んでいたのだなと思ったりします。
あれから数十年経った今でもスターとして人気があります。
本人の努力はもちろん、周りのスタッフや関係者の努力でもありますね。
あの当時の映画スタッフを見習って、印刷物を作る際は、本気を出してぜひ「色校正を!」
なんて言ってみたいものですが、見栄えやデザインはもちろんですが、その前に、本当にその印刷物が必要なのか?
手に取って見た人の立場で一度検討して製作されると、費用対効果も上がっていく印刷物ができると思います。
それに、今は印刷物よりも、WEBにだいぶ押されがちですが、
時には「紙」にこだわるのもいいかな。
下記は来月納品予定の冊子の表紙に使う予定の紙見本。
photo:株式会社竹尾さんの、散りばめられた玉模様の透かしが美しい和様のファインペーパー。「玉しきみずたま」
やはり原寸でイメージ確認したかったので、実際のサイズで紙屋さんから紙のサンプルを手配して確認。
原寸で見てみると、イメージがだいぶ変わります。
もう一つ別の「玉しき 白」という少し玉の大きさが小さい種類の紙と、どちらにするか悩みますね。
写真では質感は伝わらないかもしれませんが、厚い和紙っぽい手触りなので、インクをだいぶ吸収することを考慮して、
使う書体にも気をつけないといけません。
こんな使う紙の種類によっても、色の出方も変わってくるので色校正は重要かな。
今日は、都内私立高校の受験日になります。
生憎の天気になってしまいましたが、受験生の皆さんは今まで頑張ってきた成果を発揮していただいて、
これからくる桜の季節を迎えてほしいですね。
がんばれ受験生!
来週はここ市川で桜オーナーの植樹式に参加して参りますので、ブログでアップさせていただきます。
岩佐でした。