みなさんこんにちは!
ちょっと暑さにやられたのか最近は真面目にブログをアップしている自分が不思議です(^ ^)
さて、今日は、PUR製本の話です。
PUR製本とは、簡単に説明すると一般的に採用されている印刷製本時の無線綴じという製本方法のNEWバージョンと言ってもいいかもしれません。
いわゆる無線綴じとほぼというかまったく同じ体裁ですが、綴じる際に使用される糊が特別なものになっています。
比較的に強度の高いウレタン系反応型ホットメルト形接着剤(ポリウレタン リアクティブ/Poly Urethane Reactive)を使用するので、
その頭文字をとってPURと呼ばれています。
その特徴として、通常の無線綴じよりページの開きやすさ、耐久性・耐熱性が優れている製本方法になります。
PUR製本と無線綴じの違いは糊の種類
無線綴じもPUR製本もおおまかな作り方は同じです。
本文の束を表紙でくるみ、背表紙とノドを糊で圧着します。
よくある製本方法の針金や糸なども使わずに綴じるので「無線綴じ」と言われており、
PUR製本は、無線綴じのNEWバージョンのようなものですね。
通常の無線綴じより接着強度の高い反応性ポリウレタン系の接着剤を使用します。
この接着度の高さがこの製本の1番の特徴とも言えます。
無線綴じの場合は、ある程度糊自体の厚みがないと本文がしっかり固定できないので糊の層が結構な厚みになります。
この糊の厚い層によってページを見開く際にきっちり180度開かず、
ノド(本や冊子の綴じ側にあたる部位の呼び名です。 冊子を開いた状態では中央の綴じ側がノドに該当します。)部分が少し見えにくくなります。
しかし、このPUR製本は糊の塗布量が少なくてもガッツリと接着することが可能ですので、
ノド部分が開きやすくなります。
ページの開きやすさ
上記でご説明した通り、ページがしっかり見開くと、書き込みをする時にずっとノートを押さえながらする必要はなくなりますし、
コピーも取りやすく、使い勝手がよくなります。
耐久性が高い
PURで使用する糊は、一度固定されると100°の高い温度でも溶けることはありません。
そのため、糊の強度とさらに柔軟性も高いため、製本から長期間が経過してもしっかりと綴じられた状態を保てます。
環境配慮
一度固まると溶けない性質の糊ということから、古紙リサイクルの溶解時に、溶けた紙から完全に糊を分離することが可能です。
そのため、日本印刷産業連合会で『環境配慮型製本のり』に指定されており、環境配慮にも適した製本方法になります。
特に長期間長持ちさせたい冊子や、見開くことが多い冊子に関しては、上製本(糊ではなく糸かがり綴じ)などが主流でしたが、
今後はこのPUR製本も制作時の検討事項に入れておくこともいいかもしれませんね。
PHOTO:糸かがり製本
ただ、通常の無線綴じよりちょっとコストが上がり、対応できる工場も限られてくるので、
事前によく検討してから採用決定してください。
岩佐でした♪