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印刷物のこと

印刷物製作時の色の違い。

みなさんこんにちは。

今日は先日もアップした印刷時の色校正の続きで「色の違い」について。
先日のブログでお話した通り、印刷物の仕上がりのにこだわる場合は必ず「色校正」という手順を踏むことになります。
ちょうど今そのような案件で進めているパンフレットがありますので、少しご紹介です。

まずは、お客様との弊社で作業している環境の違いから。

これがお客様が使用されているWindowsの画面です。

そして弊社で使用しているMacの画面です。

弊社では印刷物の実際の仕上がりに近づけるように画面を調整しています。


見やすいように横に並べて見たのがこちら。


※印刷物の詳細がわかる表記は隠しております。

こちらが初回の色校正を撮影したものです。


そしてこちらがお客様の画面と比べたものです。

ここでお客様の画面のイメージがご希望ということになりましたので、お客様の画面に合わせて背景や商品の写真が暗いので、色を調整していきます。

データ調整

まずは、お客様の画面に合わせて背景及び商品写真データを調整していきます。
ただ、今回お客様ご支給の写真データの解像度があまり高くないので、なかなか微妙な調整になってます。
明るくなりすぎると、解像度の粗さがもろに出てしまうので、かえって商品イメージが悪くなってします。
解像度を考慮しながら、実際の色校正や印刷時では暗めに仕上がることを考慮して調整していきます。
お客様の画面とまったく同じにしても、仕上がりは同じになりませんので注意して作業します。


※色以外にも一部レイアウト等が変更になったので、少し背景の形態を合わせて変更してます。

そして2回目の再色校正


画面ではちょっと伝わりにくい部分がありますが、これ以上明るくすると粗いというか汚い画像の印象になりかねませんので、裏のグレーの素材は高級感も損ないたくないので若干落ち着いた色に仕上げてます。
また、この商品の性質上、本来であれば近くで見るものではなく外で見るものになります。
このパンフレットを受け取り、この商品を選んだ方が、実際に自宅で採用して設置されたこの商品を見て、
「パンフレットと違う!」なんてことにならないように注意も必要ですね。

大事なこと

このような印刷物を作る際で最も大事なのは、写真の解像度です。
ただ、解像度の数値だけで言ってしまうと簡単にソフトで上げられますので、数値だけでは意味がありません。
解像度、使用する写真のサイズ、ピンボケなどしておらずクリアーなものかなどのチェックも必要です。
でも、どうしてもそんな写真が用意できない場合は、あまり拡大せずに縮小して使用してレイアウトすることをお勧めしております。

今回のように写真を紙面いっぱいに採用する場合、写真の良し悪しで紙面全体のイメージが引っ張られるケースが多いためです。
おそらくみなさんが、「かっこいい」「おしゃれ」と思われる印刷物は写真の仕上がりがとても綺麗だと思います。
これは印刷物に限らず、ホームページでも同じことが言えます。
あるホームページのテンプレートを販売している会社さんなどは、あえてかっこいい、おしゃれなサンプル写真を使用することで、よく見せているケースもあります。
その会社さんの評判を見ると、「写真に騙されている」「写真を変えるとダサいテンプレート」などというコメントが多数見られるので、うまく騙されたというより、上手な宣伝方法だということですね。
騙すという表現は良くないですが、「上手に見せる」ということは、どの会社さんでも行っていることなので決して悪いことではありません。
特に今のWEBの世界では、表現方法においては、写真だけではなく言葉も、きちんと自分で確かめる必要がある情報ばかりでしょう。

さて、話がそれてしまいましたがざっと駆け足で見ていただいた「製作時の色の違い」はいかがだったでしょうか?

まとめると

お客様がどんな環境で確認されているかまでは、ほとんどの印刷会社さんは知らないかと思います。
ただ、言えるのは画面で見るのとは、全く同じ色味ではないこと。
そのことはどんな印刷会社さんでも認識されています。
そこでお客様にもきちんと共有してもらうことが、納品後のクレームに繋がらないことかと思います。

あくまでも、パソコン環境による違いがそもそもの要因であると言うことが基本にあり、
さらにお客様や弊社に画面の明るさなどの設定状況によっても変わってきますので注意が必要です。

補足です。

基本パソコンなどの画面上は、加法混色に基づく色の表現方法の1つで、「光の三原色」である「赤(Red)」「緑(Green)」「青(Blue)」の3色の「配合比率を変化させてすべての色を表現することが可能になっている、いわゆるパソコンやテレビなどの画面、映像表示に使われる手法です。
一方、印刷する際には、CMYKというインクを掛け合わせて使用されています。
この「CMYK」とは、「減法混色」に基づく色の表現方法の1つで、「シアン(Cyan)」「マゼンタ(Magenta)」「イエロー(Yellow)」「黒(Black)」の4色で構成されています。

理論上では、色の三原色(CMY)だけで黒を表現することは可能とされていますが、実際にこの3色(CMY)のインクを混合しても鮮やかな黒を表現することは技術的に困難であり、どこの印刷会社でも勧めていないかと思います。

みなさんの身近にあるプリンターなどでも、黒をきれいに表現するためにも、色の三原色であるCMYには必ず黒が加えられているかと思います。
多少黒みが抑えられてもいい!そんな場合でも、毎回3色を掛け合わせて黒を表現していたら、あっという間にインクがなくなるでしょう。
特にご自宅のプリンターなどはインク代がさらに値上がりしています。
今や本体価格よりも使用するインク代の方がすぐに超えてしまうほどではないでしょうか。
そこで、「黒」というインクを使用することで、使用するインクの量も少なくなることでコストが下がり、さらにインクが速く乾燥するというメリットもあるかと思います。

ちなみに、CMYKという名称はそれぞれの色の頭文字から取られていますが「K」はブラック(Black)のKではなく、印刷色調を表す「キートーン(Key tone)」を表しています。
ごく稀に「CMYBk」と表記されている場合のBkは黒を指しますが、ほとんど見る機会がないでしょう。
でも、印刷会社の営業マンもCMYKのKは黒として認識してお客様に話をするケースが多いでしょうから、黒と言ってしまってもいいのではないかなと個人的には思ったりしてます。

今回の制作にあたり、お客様とは付き合いが長く、普段色まで求めてくるケースが一度もなく、さらに今回は特に高級感を求めている商品とお聞きしてるので、まさかお客様の画面でこんなに明るくなったもので納得されていたなんてこちらでは知るよしもありません。裏には他の社員さんの意見もあるかと思いますが。

色は人によって見える感覚が違うし、好きな色、嫌いな色もあるでしょう。
また、相手に伝える際の言葉の表現も上手な方と、苦手な方もいらっしゃるのでなかなか難しいものです。私も苦手な方かもしれません。

でも、中にはこちらは「プロでしょ」と中にはいう人、思っている人がいるかもしれませんね。
その場合は迷わず、色校正という手順を必ず工程を加えます。
最低2回くらいの色校正は必要ですね。
もちろん納期も費用もそれなりにかかりますので、お客様もプロと接する時の心構えとして、「納期、費用」をたくさん見た上で印刷会社さんと接してくださいね。

今回は、特にお客様から色校正のご希望はなかったのですが、なんとなく話の中で、いつもと違うやりとりでしたので、納期を確認して少しまだ時間がありそうだったので、弊社の勝手な判断サービスで色校正を行いました。

ちなみに弊社では、お客様の「印刷物を使用する用途、予算、納期」に合わせてご提案させていただきますのでご安心ください。

品質が大事なのはもちろん。
でも、お客様がどこまで求めているのかに合わせてプロとして判断し、ご提案させていただいてます。

そりゃ時間も予算もたくさんあれば、とことん良いもの、こだわりのあるものを作りたいでしょう。

でも、出版社などでない限り、今は他の仕事と併用して印刷物発注担当になられているお客様がほとんどです。
そんなお客様の背景も考慮して作る印刷物の中で、可能な範囲で満足のいく印刷物をご提供していきたいと思ってます。

ちょっと長くなってしまいましたが、製作時の色の違いについてでした。
さあ、急いで部屋の水槽たちの掃除と水換えをしないと。。

岩佐でした。

 

 

 

 

 

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